長く入居してもらう方法
安定的に入居してくれる人
賃貸経営をするときに考えなくてはいけないのが空き室リスクです。
賃貸物件を経営するときには、同じ敷地の面積に対してたくさんの部屋数があった方が収益は高くなりますが、その分空き室が増えるリスクは高くなってしまいます。
すべての部屋が常に埋まっているというならよいのですが、空き室が増えてくるとその分どんどん収入は少なくなっていってしまいます。
入居稼働率という視点で見ると、単純に計算して10部屋あるマンションなら1部屋の空き室で1割減、2部屋の空き室で2割減ということになります。
入居稼働率を上げるためには入退去が繰り返される回転率を上げることに重点がおかれがちですが、実際のところ長く安定的に入居してくれる人を増やした方がリスクは少なくなります。
かつて不動産バブルでは人がどんどん引っ越しをしてもまた次の人が入ってくるという超高速回転をしていたときもあったのですが、現在ではむしろ条件の悪い物件はどんどん人が出て行ってしまうというふうに変化しています。
なので賃貸経営をするときには新規契約者を増やすことよりもむしろ今入居している人をいかにして長くつなぎとめておくかということの方が重要になってきます。
きちんと清掃している
入居者に長く住んでもらうためには、やはり継続的な管理者の努力が必要になります。
特に共同住宅では廊下や階段など共有部分がありますが、それらの管理がしっかりしていない物件は長く人が住みづらくなってしまいます。
入居者は自分の部屋の中までは掃除をしても、自主的に共有部分にまで清掃をするということはありませんから、定期的に管理人が清掃に入るようにするという方法が必要になってきます。
地味な努力ではありますが、これをするしないだけでもかなり入居率は変化してきます。
仮に空き室が出ても、次の入居希望者が内覧に着た時に廊下や階段がきちんと清掃しているとそれだけ新たな入居先としての希望がされやすくなります。
また、この清掃作業が大切なのは入居者のモラルを高めることにもつながるということです。
「割れ窓理論」という言葉がありますが、荒れた施設には中にいる人のモラルも下がる傾向があるので、それがますます建物の価値を下げることにもつながってしまいます。
建物は10年を一周期として設備が陳腐化するという特徴もあります。
なのであまりにも空き室の歯止めがかからないというときには大規模なリフォームや建て替えを考えてみてもよいかもしれません。