サブリース契約のリスクとは
サブリース契約とは
不動産の運用方法の一つとして、急激に行われるようになったのがサブリース契約です。
どちらかと言えば悪い意味で報道されることが多く、サブリース契約=危険な契約というようなイメージが持たれることもよくあります。
しかし本来の趣旨としてはサブリース契約は不動産会社がオーナーから土地・建物・付帯施設を借り上げて運営をすることにより、運営による収益を安定的に受けることができるという方法です。
オーナー本人が不動産運用をしようとする場合、空き室リスクや家賃回収リスクがそのまま本人に負担となってきますが、それを間に不動産会社を挟むことにより適切な運営をすることができるようになります。
不動産会社にとっても、自社で不動産を買取ることなく不動産運用部分のみを請け負うことができるというリスク回避が可能です。
メリット・デメリット
サブリース契約によるメリットとして、まず不動産会社を通すことによる家賃保証があります。
一般的なサブリース契約の場合、契約時に一定の空き室保障がされることになっているので、実際に入居者を募集したときに完全に部屋が埋まらなかった場合であっても家賃収入を得ることができます。
当初サブリース契約が数多く締結されるようになったのもこの「家賃保証」があるからで、初めて賃貸住宅の運営をする貸主さんにとって安心感のある契約方法とされてきました。
しかしその一方でデメリットとなるのが契約当初の予定どおりに入居者が入らなかった場合、定期的に家賃の保証額が改定されることになってしまうということです。
もともと、家賃保証といっても家賃として支払われる収入が全てオーナーのもとにゆくのではなく、家賃の10~30%が不動産会社にマージンとして支払われることになるので、ローンのための資金回収が遅くなってしまうリスクがあります。
また、あまり知られていませんが、敷金・礼金・更新料の受け取り人はオーナーではなく不動産会社であることから、当初予定していたよりもぐっと受取額は少ないというのがサブリース契約の実情なのです。
ポイント
サブリース契約については非常にトラブル事例が多く報告されていることもあり、国土交通省からも注意喚起がされています。
消費者トラブルとしてもサブリース契約はかなりの数で報告されていることから、これから不動産を賃貸物件として運用したいと考えている人は十分に契約内容を理解した上で契約しましょう。
最大のポイントは契約期間が長く30年以上も契約の改定ができないということもありますので、その期間内に起こるリスクについても考えていかなければいけません。
もし疑問に感じる点があったら、同じようなトラブル事例がないか、最寄りの消費者ホットラインに問い合わせてみるとよいでしょう。