土地家屋調査士
土地家屋調査士とは
土地家屋調査士とは、建物を新築・増改築・分割・合併・土地の変更・滅失などをした場合に現地の測量を行い、面積や使用目的を確認をして不動産登記に申請をするための仕事です。
不動産の表示に関する登記はその土地を持つ所有者に登記の申請義務がかせられているのですが、実際のところ登記の手続きは素人が行うにはかなり煩雑で手間の多いものであるため、通常プロに依頼をして任せることになっています。
そのための業務を土地所有者に成り代わって行うのが不動産家屋調査士ということになっており、建物や土地に変化が起きた時に適切に計測をするとともにその内容を所有者に説明し内容どおりの登記をしていくことになります。
依頼をされるケースとして最も多いのは更地となっているところに新たに住宅を作るという新規住宅着工ですが、その他にも最近増えているリフォームや増改築、相続による分割といったものもケースにより引き受けることになります。
また地方など長年所有者が曖昧なままになってきた土地などでは土地境界がはっきりしないということもよくあり、そうした時には「筆界特定」という手続きにより権利関係のある本人たちとともに外部の専門家の意見を交えて特定をしていくこともあります。
土地家屋調査士になるための方法
土地家屋調査士として勤務をするためには事前に国家試験に合格をしなければいけません。
資格試験は毎年1回開催されており、筆記試験と口述試験の二部構成となっています。
最初の筆記試験に合格した者が次の口述試験に進むことができるようになっており、最終的な合格率は全体の8~9%程度です。
試験範囲としては平面測量や作図といった実際の業務に必要な技能を問うもので、他にも民法や登記手続きなど法的な部分も多く出題されます。
口述試験でも同じように法律や手続きについて問われますが、実際に試験官を前に説明していくことになるので同時に人間性をもチェックされることになります。
土地家屋調査士の適正
土地家屋調査士が国家資格として設置されることになった背景は、国の登記制度が確立することによりそれまでの「土地台帳」や「家屋台帳」と異なる管理をされることになったという点があります。
大きな転機となったのは昭和24年のシャウプ勧告で、これにより土地不動産に関する税制が大きく変更され国税として取り扱われてきた固定資産税が市町村税として扱われることになりました。
またそれまでは土地と建物を別々の台帳で管理してきたことをやめ、一元的な登記として扱うことになったことによりより専門的な手続きが必要となったのです。
土地家屋調査士が設置されたのは昭和25年7月31日のことで、以後新たに変更される土地についての管理を任されることになっています。
土地家屋調査士は国家資格の中でもかなり歴史の長いものとなっているのはこのためで、税制の基盤となる土地建物について構成な管理業務を行っていくという非常に社会的意義の高い仕事とされています。
これかれあ土地家屋調査士を目指す人はそうした歴史的な流れを踏まえ、社会全体の公平性を保つための重要な任務であるということを忘れずに行うようにしてもらいたいところです。